輪郭

壊れかけのレディオという曲があるが私のラジオは壊れてしまったのかラジオじゃないレディオレイディオレイディオでもないCDデッキ違うアップルミュージックあれほどたくさんの音楽があるというのにあれほどなんでも聞かせているのになぜかなんにも聞こえてこないよ私の耳が壊れているのか?
ライブじゃなくて聞かせておくれよ変わらぬ音変わらぬ声変わらぬ言葉いつもおんなじおんなじ調子でわたしを刻む何億光年の一曲リピートでこの世界から銀河系からブラックホールから抜け出してしまいたいとあれほど思っていたのに一曲も最後まで聴いていられないよ曲だけじゃないよ本もコミックアプリも詩集も絵も水も毛布も全部全部どこへ行ってしまったのかどこにいるのだ私は今いったい?何が私を何億光年の速さで連れていくのだ
同じ字を何度も何度も何度も書き続けてゲシュタルト崩壊して順調に気持ち悪くなってきて手が痛くなってきて書けなくなってきて書けなくなってきてそれでもそれでもそれでも書き続けたらその先に何があるのだろう?それは何億光年の速さだと思っているけれど
変わらぬ音変わらぬ文字変わらぬ色変わらぬ配置変わらない変わらない変わらないがあれほど私を支えていたのに私はこれから一体何で社会と繋がっていけばよいというのか腐った匂いが強くなる強くなる強くなってどんどん変わっていくそれは私の身体から漏れ出ているのかそもそも何を嗅いでいるのだ私は?見よこの鏡真っ黒の画面の奥にうつる私の目の見開き様をおおなんと恐ろしいのだこれは私なんかじゃきっとないはず
自分にある何億光年の真っ暗闇と自分にある何億光年の速さの不思議を知ってしまったいま何で息をして何で排泄をして何を塗たくって何を飲んで何を嗅いで何を聴いて何を見ていればああはやく私の輪郭輪郭輪郭輪郭輪郭になる変わらない何かをはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくみつけないと
さてこれから人という文字を身体中に何億光年も書こうと思う