CD

アップルミュージックとかではなくて

ましかくい透明なケースを
指がべったりつかへんようにこわごわ開けて

うすぺらいまんまるいのを
親指でぐと押して人差し指とでつまんで

しかるべき段差に嵌め込んだり
そおっと隙間に差し込んだりして

吸い込まれる気持ち良さとうずうずの気持ちと
おんなじ デッキの機械音と

そうやって再生ボタンを押して
すうっと広がる音色の灯り


ひとつの人間が
たったひとつでこんなにも
ひとつというのを慈しむんやな
慰めるんやな

私はいっつもそれを忘れるみたいで
アップルミュージックで横着してしもて
それまで厭わしくなったりして
永遠に見つからんもんを探しに行ってしまうんやけど

忘れたくない
こんなにやさしい音色が
ここにちゃあんとあること